ペットを飼うために借入

私が子どもだった頃、ペットを飼うことに強い憧れを持っていました。
金魚やカブトムシのような小さな生き物ではなく、犬や猫が欲しかったのです。
犬を多頭飼いしている友人の家に遊びに行っては、親に「犬を飼いたい!」とねだる日々でした。

1年ほどねだったでしょうか、私の熱意に両親が折れて我が家にかわいい雑種犬がやってきました。
とても大切に育て、毎日遊び、楽しい子供時代であったと記憶しています。

犬は13才まで生きて、私が20歳を迎えたころに天寿を全うしました。
そして犬が亡くなってから半年、もう1度犬を迎え入れたいと強く感じるようになりました。

亡くなった犬のかわりがほしかったわけではありません。
しかし、犬がいる生活に慣れ切ってしまった私にとって、あの温かいぬくもりがない生活は非常に寂しく、味気ないものでした。

なんとなくペットショップに足を運ぶと、どこか悲しげな目をしたミニチュアダックスフンドが目につきました。
この仔を連れて帰りたい、と思いましたが家には何の準備もしてありません。
何より、生き物を即決で買うことなどできませんでした。

1度帰宅して母に相談すると、予想外に渋い顔をされました。
母も犬のいない生活を、どこか気だるげに過ごしていたので、間違いなく賛成されるであろう、と思っていた私はとても驚きました。

よくよく聞いてみると、私には考え付きもしなかったお金の話がぽろぽろと出てきました。
犬にかかるお金は、私が思っていたよりも高額で、私はたじろぎました。

犬をもらうのではなく買うのだとすれば、1頭15万円はします。
そして犬を室内で飼うにはケージやトイレマット、犬用の布団も必要です。
散歩用のリードも新調しなければならないし、エサを入れる食器もなければなりません。
諸々集めれば、20万円以上は入り用になるでしょう。

当時、まだ大学生だった私には、20万円は大変高額でした。
そのほかにも予防接種代や毎日のエサやおやつ代、病気にかかったときの医療費を考えると、母の反対も納得できました。

また母は、学生とはいえ私はもう成人しているのだから、飼いたいなら自分の力で飼うべきだと言いました。
正論だと思いましたが、悩みました。

しかし、私はどうしても諦めきれませんでした。
なけなしの貯金をはたき、アルバイトを増やして、親には内緒で少しだけ借金をし【学生でも借りられるローン】、遂にあのミニチュアダックスフンドを迎えに行きました。

初めて抱っこしたときの、小さくて温かく、壊れてしまいそうなほど尊い感触は2度と忘れないでしょう。

あれから数年が経ちましたが、初期費用の20万円なんてかわいく思えるほどにどんどんお金が出ていきます。

間違いなく、このミニチュアダックスフンドが、私が生きてきた中で1番大きな買い物です。
生き物を「買う」ということは、その瞬間だけの売買ではないのだということを痛感させられます。
しかし犬がそばにいてくれるから私は仕事を頑張れるし、癒しになっているのです。
これからも犬を大切にして生きていきます。

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